• 日常のあれこれ
  • 2025.12.24

日常のあれこれ⑥ 今年の漢字

毎年12月12日、日本の年末を彩る恒例行事といえば「今年の漢字」。今年選ばれた漢字は……『熊』!

2025年『熊』が選ばれた理由

まず、『熊』が今年の漢字に選ばれた背景を考えてみましょう。理由として、『日本各地で熊が出没し、国民の関心と不安が集中した年』また、『熊猫(パンダ)が中国へ返還された年』があげられます。


今年の漢字一文字に動物が選ばれた年

『熊』以外に選ばれた動物がいるのはご存じでしょうか。それは2003年『虎』です。

長引く不況の中「ダメ虎」と呼ばれた阪神タイガースが18年ぶりの優勝を果たし日本が活気づいたこと、「虎の尾をふむ」「虎穴に入る」イラクへの自衛隊派遣問題があったことが選ばれた理由でした。

2位以下に選出された文字

1位とわずか180票差で2位だったのが『米』です。米の価格高騰や備蓄米の放出、米国のトランプ大統領再就任や相互関税対策などのニュースが大きく取り上げられたことが影響しました。

3位は私自身が予想した、『高』でした。

内閣総理大臣に『高』市早苗氏が就任。物価の高騰や国内最高気温の更新があった年でした。

SNS時代における広がりと影響

「今年の漢字」の楽しみはSNSでさらに広がりました。公式の発表以外にも、自分自身の「今年の漢字」を投稿する人が増えています。「今年は『博』かな。大阪・関西万博が開催されたから」や、「私の今年の漢字は『初』。女性初の内閣総理大臣の就任やイチロー氏が日本人で初の米国野球殿堂入りをしたから」など、ユニークな投稿が続出しています。


「今年の漢字」とは

「今年の漢字」は1995年に日本漢字能力検定協会の主催で始まりました。その年の世相や出来事、人々の気持ちを最もよく表す漢字一字を一般公募で募集し、12月12日に清水寺で発表されます。
1995年に始まった背景には、この年に起こった非常に大きな出来事が影響していると言われています。
1995年は日本にとって忘れることのできない、非常に重要な1年でした。
・阪神・淡路大震災
・地下鉄サリン事件
その他、金融機関の崩壊に代表される経済不安、政治不信、毒グモ騒動など、相次ぐ国内の驚異的出来事に「震えた」という意見から、「震」が選ばれました。
今思うと、未曾有の出来事が集中した大変な年でした
続く1996年は「食」
理由としては、O157による相次ぐ集団食中毒事件、狂牛病の発生、世界的食糧危機などが挙げられています。
その後も、「倒」「毒」「末」と続き、あまりいい印象のないものが多いように思いますが、徐々に拉致被害者帰国に掛けて「帰」、タイガースの優勝に掛けて「虎」、ほかにも「愛」や「命」など今年の漢字の知名度が上がるにつれて、いいイメージにつながる漢字も選ばれるようになりました。

象徴的なのは、同じく未曽有の被害をもたらした東日本大震災の年、2011年は「絆」が選ばれました。阪神大震災を経て、当時はただ「震」えることしか出来無かった日本がまた同じような大災害にあっても「絆」を大切に前を向いて行こうとする気持ちが感じられ、感慨深い気持ちになります。
ちなみに、2025年で30年目を迎えた「今年の漢字」ですが、30年の間に5回も選ばれた漢字があります。それは・・・「金」です。
オリンピックをはじめスポーツのワールド大会での金メダルや、政治とカネの問題、闇バイトによる強盗事件や物価高騰など、理由には良いことも悪いこともありますが、いいイメージで選出されることも増えた背景には、がんばってきた1年が暗い悲しいイメージで終わるより、次の年につながる明るいイメージで締めくくられる方がいいという気持ちの表れかも知れません。

2026年、どんな漢字を未来に描きたいですか?

さて、来年の漢字を予想してみましょう。2026年の「今年の漢字」はどんな文字が選ばれるでしょうか?「平和」を願って『和』?それとも、AIや新技術の台頭を表す『新』?はたまた、急激な変化を象徴する『転』なんてこともあるかもしれません。
自分自身のテーマとして一文字掲げて、行動してみても面白いかもしれませんね。

皆さんにとって2026年が良い年になりますように

それではまた来年 皆さまよいお年をお迎えください

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